外断熱について

”数値では表現できない外断熱工法の有益な保温性”

外断熱工法の家の保温性能についてです。

木造住宅の断熱工法は充填断熱工法と、外断熱工法というほぼこの2つですね。
外断熱工法というのは柱を外側から断熱材でまるっと包んでしまう断熱工法のことです。
充填断熱工法というのは柱と柱の間に断熱材を入れる最も一般的な断熱工法です。

簡単にいうと壁の外側に断熱材があるのが外断熱壁の中に断熱材があるのが充填断熱ですね。
通常我々が外断熱を採用する場合、充填断熱と組み合わせる「ダブル断熱」とすることが多いです。
さて、例えば同じ性能値だったとしたらではどちらの方が保温性に優れているかというお話です。

下の図は木造住宅の外壁の断面図温度の変化を入力したものです。
中心の線より左側が外断熱、右側が充填断熱です。
温度を表す緑の線が急勾配になるほど、温度差が大きいということなので断熱性が優れていることを表します。
冬の方が室内と外との温度差が大きいので、冬を例にしましょう。

※「A」は外断熱材30mm。「カベ」は左から構造用合板12mm、壁の断熱材105mm、内部の石膏ボード12.5mmという構成です。「外」は冬の外気、「中」は室内の温度。緑の線は温度を示します。



どちらも室温を20度、外気温を0度とした場合です。

外断熱の場合は壁の外で断熱をしてるので壁より外である程度冷気を押さえ、温度が変化しています。
壁の表面温度ですでに充填断熱とがありますね。

充填断熱の場合は壁の中で断熱をしてるので外側付近は温度が低いです。
家の中に近づくほど室温に近づきます。

どちらも数値上の断熱性能は同じだとしたら
外断熱の方が壁の中の温度が高いのでお部屋の保温性は良さそうですね。



~要点~
・外断熱は室内にとって有利な温度勾配となるので壁内部の温度が室温近くに保たれ内部結露が生じにくい
・金物などの熱橋が生じにくい
・外断熱は壁内部の金物や電気配線などで断熱欠損があっても、外側である程度断熱カバーできている。
・充填断熱は断熱材・防湿層の欠損があった場合、壁内部で温度が低くなり内部結露が生じやすい。
・充填断熱の場合、より繊細な断熱施工が必要。

このように数値では表現することができない性能のお話がいくつかあります。

Ua値が低い家は断熱性能においてひとつの目安において優秀だと言えます。
ですがそれはあくまでもひとつの目安であり、「Ua値の低い家」イコール「快適」というわけではありません。
なぜならUa値は全体を平均した値だからです。
平均値だと箇所ごとのバラツキがある場合があるので、
例えば冬窓付近が寒くても壁と屋根だけ断熱強化すればUa値は優秀な数値が出てしまったりします。平均値なので。

といった専門的な話がいろいろありますが、
お施主様にとっては最終、体感温度冷暖房費という2つが現実です。
住宅は断熱・気密・換気・空調などが関わり快適という答えを出しますので、
数値では表現できない窓の配置の工夫などはUa値以上に重要かもしれません。


断熱性能値が少し低い家でも、体感温度を意識しながらの設計が大事だと考えています。
予算に合わせて、弱点を押さえた設計と、ゆとりのある設計のどちらも可能です。
省エネ設計で何度もシミュレーションを重ね、体感温度と冷暖房費を最適化する提案をさせていただきます^^

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