”HEAT20の住宅シナリオ”
「HEAT20」の意味を御存じでしょうか?
家づくりの勉強を始めた方なら最近、HEAT20のG1とかG2基準というワードを見たことがあるかと思いますので、
今回はこれについての記事を書いていこうと思います。
注文住宅で選ばれる住宅会社として、デザインはすでに当たり前になってしまい、
デザインの次に高気密・高断熱・高耐震がキーワードとなった高性能住宅の市場競争が広まって、
今や玉石混交となっているように思います。
良い家を作るためにちゃんと勉強している会社か、
家を売るための手段として高性能住宅を謳っている会社か、
これを一般の方が見極めるのは難しいです。
住宅会社の多くはHEAT20基準を謳いながら、
Ua値とC値ばかりで他社と競い合っています。
優秀な数字を公表している会社こそがいい家づくりをしているかのように捉えがちになりますね。
ですがUa値やC値はひとつの目安に過ぎないんだということを本元のHEAT20は明言しています。
断熱基準のUa値ばかりでその名が出てくるHEAT20が提言している本来の目標というのは、
以下の「住宅シナリオ」を満たすことです。
なにやら文言がわかりにくいのでこの住宅シナリオを平たく言うと、
・家中年中快適な室温
・最小のエネルギーコスト
この2つです。
断熱基準がG1じゃ足りないとか、気密C値は0.5以下じゃないとダメだとか、第一種換気は必須とか。
性能を謳う会社であればいろいろ主張があると思うんですが、
それはなんのため?ということなんです。
なんのためにお客様がお金をかけて家の性能を向上させる必要があるのか。
それが数値を満足させることが住宅会社の目標になっていて、
HEAT20が提言している住宅シナリオの「最小のエネルギーコスト」、
これを意識した提案ができていない会社がほとんどではないでしょうか。
例えばG2でC値0.3の家が年間の冷暖房費10万円かかるというのと、
G1でC値0.7の家が年間の冷暖房費5万円というのではどちらが優秀でしょうか。
性能数値が優秀な家の方が断熱性がいいんだから冷暖房費も抑えれるんじゃないの?
と一般の方は思ってしまいがちですが、
家は総合評価なので、何かだけが突出していい点数を出していても、
エネルギーコストという最終の評価ではいい点数は出ません。
性能数値がそこそこ優秀な家で基本設計と冷暖房計画をきちんとしていれば、
性能数値が良い家よりエネルギーコストを抑えた家づくりは簡単に可能です。
それを建築時に考えるかどうかで、例えば30年後、数百万円変わってしまいます。。
良い家を作るためにちゃんと勉強している会社か、
家を売るための手段として高性能化を謳っている会社か、
それはHEAT20の住宅シナリオの2つともを目標に家づくりをしているかどうかで判断できます。
住宅が消費するエネルギーの半分以上は、冷暖房と給湯に使うエネルギーです。
これを少なくとも30年先まで見据えて少ないコストで提案をできるかがひとつの設計技術です。
というわけでHEAT20というか、少なくともHEAT30と言いたい感じではあります。
正式名称下記に貼っておきます^^