外構の脇役たち

外構工事において土や緑を取り入れた場合、
数年後雑草が生えてきます(まぁ砂利部分にも)。
今回はそんな時、すべてを雑草と一括りにして敵視せず、
いろんな個性に目を向けてみてはいかがでしょうかというお話です。
(ここでは野花と言いたいところをあえて雑草と呼んでいきます)

きっと人にとって雑草にも「良い雑草」と「嫌な雑草」があると思います。
例えばタンポポなどは素朴で親しみ慣れた代表選手ですね。
鮮やかな黄色が野道に彩を添えて、素朴で可愛い花を付けてくれます。
ですが畑のまわりに咲くタンポポは農家の人にとっては綿毛で種子を撒き散らす繁殖力の強い迷惑な草でしかありません。
畑に生えるスギナ、ハコベ、スベリヒユ、タデ、ギシギシなどなど、農耕民族の日本人は長く雑草と戦ってきた歴史があります。

そんな我々のDNAには雑草を抜き庭や道を清めることが手入れだという考えが当たり前にあるのかもしれませんね。
ですがお庭つくりに於いては一旦ここでその考えを改めて、
ある種の雑草には愛着をもって接してみてはいかがでしょうか。
今回はそんなこんなで覗き込まなければ見えない小さな世界、
「HomeSideの庭でも見かける外構で残したい雑草8選」でいってみましょう。



1.カタバミ


見てください、なんとかわいいことでしょうね~。これが雑草への入り口でどうでしょうか。
カタバミはクローバーに似たハート形の葉をつけ、鮮やかな黄色の花を付けます。
こんなにも小さいながら一つ一つがちゃんとその形を形成しているところが何とも健気でたまりません(オタクな私見すみませんがこれが続きます苦笑)。
種をつける時期には手で触っただけでパチパチ弾けるように種を飛ばします。
私一番のお気に入りといってもいいくらい好きな雑草で、年中庭を彩って元気づけてくれます。
紫や白の花がつくものもありますし、草丈も低く、ほとんど陽の当たらないような場所にでも根付きますのでグランドカバーには最適といえるのではないでしょうか。

2.コメツブツメクサ

※結構広がります

こちらは弊社の駐車場に生えておりますコメツブツメクサといいます。
駐車場に生えるくらいなのでかなり強い草と言っていいと思いますがそんなにタフな草なのに、こちらも多数の小さく黄色い花が無数に咲いて、砂色の地面に鮮やかな色を添えてくれます。
夏、緑の絨毯に黄色の粒を撒き散らしたように一斉に花がつくときは本当にきれいです。

3.シロツメクサ

こちら四つ葉のクローバーで有名なシロツメクサですね。
私の小さい頃はまだこの花で冠を作って遊んでいましたが今も子供たちはそんな遊びをするのかな。
探してみると四つ葉だけではなく、二葉や五つ葉もあったりします。
少し背の高さもあり、濃い緑にぼんぼりのような丸い形につく花がかわいらしく、こちらもグランドカバーには最適です。

4.キュウリグサ


さぁこれです。こちらも駐車場で見かけます、これがキュウリグサですね。
よくよく覗き込まなければその可憐さはわからないくらい小さな小さな花を付けます。
薄い青がなんとも淡く切ない色をしていて、真ん中の黄色が主張しすぎず素朴な姿をしていますね。
どれくらいでしょうか、5ミリくらいですかね、この花の大きさ。
こんなにかわいい花をつける草の名がキュウリグサという名前。。
もし見かけたらどうかお庭に残してあげてください、、

5.ヒメジョオン


こちらも見たことがある方が多いのではないでしょうか。
よく見かけるけど名前も知らないあなた。それがヒメジョオンです。
よく見ると繊細な花弁が規則正しく広がっていて、こんなに小さいのにこんなに完璧にできていることに感心します。いったい誰がこの形を設計したの、、、
ひざ丈くらいは伸びるのでちょっと脇に根付いてほしいお方です。

6.ホトケノザ

まぁこちらも大定番で見かける雑草のひとつ、ホトケノザですが所謂春の七草のひとつのほとけのざとは違います。
駐車場の砂利の隙間からも生えてくるのでかなり強い草なんでしょうね。
この草は茎に対して葉が丸くつき、その(台の)上に手を合わせた仏様のような花がつきます。
よく見てください、蓮の上に立つ仏。。に見えますよね?
なんともよくできた花だと思いませんか、、なぜこんな形に葉をつけこんな花をつけるのか、いったい誰がデザインしたんでしょう、、不思議すぎます。。

7.ミント

数年前にホームセンターで買ったミントを1株植えたところそれが元気よく広がって、
今や芝生を制圧してしまったミントも面白い草だなと思います。
ハーブじゃないかという声も聞こえてきそうですが、ハーブこそが香りの強いただの雑草ではないでしょうかと思っています。
そのハーブ効果で蚊が寄りにくいのかと思ったらそんなこともなかったですが、、、
今では弊社のオリーブの足元や門柱まわりをを完全に覆っております。



8.カラスノエンドウ

正式名称は違うらしいですがカラスノエンドウと聞いて我々は育っておりますので慣れ親しんだ俗称で呼ばせていただきます。
この草を見たことがないという方はいないのではないかというくらいこれもどこででも見る草ですね。
エンドウというくらいなので小さなさやえんどうのような種子がつきます。
マメ科の花らしい形のきれいな色の花が心を豊かにしてくれる気がします。


さて余談、、、
これでも弊社敷地内で見かける雑草だけに割愛してコンパクトに書き上げたつもりなのですが、私見ばかりでこんなにもマニアックなお話にお付き合いいただき本当にありがとうございました。
ここまであえて雑草という呼び方で書いてきましたが、
ここまで見ていただくとこれらを雑草と一括りに呼ぶなど失礼なくらい、
ひとつひとつがまるで違う個性を持った美しい野花たちではなかったでしょうか。
今回取り上げた野花ですがどれも健気ながら完璧な姿を形成し生きているのを見ると、
抜いて処分するなんて信じがたい話とは思いませんか。。。泣

私は北海道で5年くらい農家さんで働いていたので、
夏はポケット図鑑を片手に毎日草取りをしながら畑を歩き、草の名前を覚えたものでした。
他にもハコベ、ヨモギ、ツユクサなどなどご紹介したい野花はいくつかあります。
取った方がいい草、残してもいい草、いろいろあります。
せっかく家を建て、小さな庭や、庭とも呼べないまでも草の生きるスペースが少しでもある場合はこういった野花と共生してみてはいかがでしょうかというご提案でした。
私が家を建てるとしたら、外構工事ではコンクリートを打たないと思います。
思い思いの雑草を自生させ、気分を上げてくれるかわいい野花達と共生したいと思います。

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