さて換気方式は第三種換気の方がデメリットが少ないということを学んだ上で、コラム「換気問題」で触れて置いたある条件についてのお話です。
第三種換気の場合は特に、給気口となる給気レジスターをどこに付けるかが肝心です。
なにかのコラムでも書きましたが、シンプルなもの(こと)を採用する時ほど知恵と工夫が必要です。
どこに付けるかの答えをあっさりと先に書くとエアコンの吹き出し口の下付近なんですがその周辺の考察も理解していただきたいので是非下までご一読ください。
もう一度書きますが弊社では給気レジスターの取り付け位置はエアコンの吹き出し口の下付近を推奨しています。
温度差のある空気がエアコンの空気と混ざって入ってくるので不快感はほぼありません。
しかも外気がエアコンの風に乗って部屋の中を循環するので換気ムラが少なく済みます。
エアコン設置スペースは天井から400下がりくらい見ておけば充分なので、給気レジスターの上端で天井から450下がりくらいが取り付けの目安となります。
給気レジスターも数種あると思いますが、フィンがついていて風向を変えられるものや、3方向(下以外)給気のものだとエアコンの吹き出し口に向けやすいので良いと思います。
それでいて給気フィルターがお掃除できるものや、PM2.5対応のフィルター取り替え式のものあたりがベターです。
ではエアコンの吹き出し口のすぐ下に付けれない場合どこに付ければいいのか。
注意すべきなのはエアコン周辺につけるのであればエアコンの下以外(付近も含め)につけない方が良いということです。
エアコンの構造はまず本体の上から室内の空気を吸って、下から空気を出しています。
そして機種に拠りますが本体の前、横、上部などに温度センサーがついています。
エアコンはこの温度センサーで現在の室温を検知して設定温度に合わせた自動運転を行っているのでそこに温度差のある外の空気を混ぜてしまうと温度センサーは室内の温度を正しく検知できなくなり、リモコンで設定した室温に追い付いていないとエアコンが勘違いをして頑張って運転しまうことになります。
最近の上位機種だと温度カメラ等がついているのでエアコン周囲のどこに給気口をつけてもその影響はないのかもしれませんが、温度センサーの位置でエアコンを選ぶわけではないですのでどの機種をつけてもいいようにしておく必要があります。
上記の理由からエアコン付近につけるのであれば吹き出し口の下付近ということになります。
これで数十万円予算が浮きましたね!
さて少し上記の話から逸れますが換気設計としてだけで考えた給気口の位置のセオリーを書くと、トイレなどから排気する換気扇の位置からその部屋で最も遠い位置につけることがムラなく換気できるので良いとなるのですが、冬場などは冷たい外気が入って来ては滝のように下へ流れるので、これがベッドの頭上にあったものならたまったもんじゃないですよね。
なのでそういったことも考慮しながらエアコン位置と給気口の計画をしていきたいと思います。
あと余談になっちゃいますが、一番採用してはいけない給気口はサッシの枠についたガラリのようなタイプの通気口です。
今ではあまりしないと思うんですが、、、
これがなぜダメなのかのお話ですが、
フィルター交換のようなメンテナンスができない構造であることから、PM2.5対応などもなく、花粉ですら普通に入ってきます。
さらに定期的に掃除をしないと目詰まりして固くなる、カーテンを閉めていると結露しやすい、断熱改修で2重窓にするとき換気が機能しなくなる。などなど。
壁に穴を開けなくて済むメリットを除けばデメリットだらけとなります。