”良い間取りと家相は相関関係にありません”
間取りはお客様の要望と敷地の形状、接道条件、周辺状況により、
化学反応のように新しいものが生まれると思っています。
これは注文建築の醍醐味であり、私たちとお客様の合作であることの所以です。
その上で様々な検討を重ね、基本的な設計のセオリーを踏めば、
その土地にあった最良のプランは自ずと導き出され、
間取りのゾーニング(大枠の方向性)がその後大きく変わるということはほとんどありません。
お客様で家相を気にされる方の割合は30組に1組くらいかなと思います。
その度合いも様々で、鬼門・裏鬼門に玄関や水廻りを配置してはいけないとか、
細かい要望だと、玄関は右に開く扉で北になければいけない、寝室は北西に配置しなければならないなど様々です。
まったくそのへんの知識が無いですが風水や、方位学でそのようなことがあるのでしょう。
これに配慮しつつ、うまく間取りが納まればベストなんですが、
それにより動線が悪くなり間取りに無駄が出る、日光を取れなくなる、省エネ性が悪くなる等の弊害が出ることもあります。
あまり多くの制限を設けられてはどこかにひずみが生じるのは避けられないこともあります。
建築士よりも家相の鑑定をしている先生を信じるのですか。と思うこともありますが、
私たちは現実的な計算のもとに幸せな家づくりを提案することを考えますが、、
家相を信じる方にとっては、間取りによって不幸を避けたり、幸せを取り込むということを第一に考えます。
私たちは住宅建築のプロですし、家相の鑑定をしているその先生はその道のプロなんでしょう。
これは価値観が違うとか考えが合わないとかではなく、幸せになるために家を作ろうという共通のゴールがあって、
たどり着くためのプロセスの最重要項目が違うというだけのことだと思いました。
たとえ動線が悪く、省エネも不利な家でも、その他に価値観を置いている方にとってはそんなことは2の次なんです。
家相重視の場合、間取りだけで幸運を招いたり、不幸を退けたりということが決定的になるのです。
お客様が幸せになる家づくりが第一なんですが、
エコな住宅が街中にあり、中古としても充分に使えるものを未来に向けて残していかなければならないという使命もあります。
なのでひとりの建築士として家相第一というのは一旦は否定します。
仮にその後中古物件として誰が使っても快適で合理的であるべきですし、
住宅というのは自然に従った設計手法があり、敷地の形状、接道条件、周辺状況などを読み解けば、
その土地にあった最良のプランの方向性は大枠で決まり、それを最優先事項にすべきと考えるからです。
ですがその先はそれぞれの幸せの形です。
相談しあって良い間取りを描けたらいいなと思います^^