床大事です

”耐震に大事なのは壁だけではない”

耐震のお話をするとき、ほとんどの住宅会社は耐力壁といって地震に耐えるのお話をします。
もちろん壁(鉛直面)が大事なのですが実は壁と同じくらい、床(水平面)が大事なんです。


例えば下のようなダンボール箱に横から力を加えるとどうなるでしょうか?


上の蓋が空いているのを、二階の床が無いとします。
これだと地震と同じ横からの揺れの力が加わるとひし形に歪んでしまいますね。
壁で四角く囲っても、周りの4面だけだと弱いのです



では上部も組み立てて6面のダンボール箱にするとどうなるか。

これなら床(上の蓋)があるおかげで横から押してもひし形に歪むことはありません。
よほど強力な力を加えない限り潰れることはありませんね。
地震力による揺れを下階へ伝達する上で床がいかに大事かということはこれで簡単に説明がつきます。


で、なにが言いたいのかというと、

吹き抜けを計画する場合、細心の注意が必要だということです。
吹き抜けには床が無いので歪みに対する抵抗力は弱くなってしまいます。
そこでそれらを補うために構造計算をしっかりとして、弱点を補強していく作業をします。
その時に火打ち梁という斜め材が必要になる場合があります。
これが開放的な吹き抜けに入るのが憎いことがありますが、
地震時に命を守るものなので入っていることに安心感を感じていただきたいと思います。

耐震は壁だけではなく床も壁と同じくらい大事というお話でした^^

コラム一覧ページに戻る