最近お客様と打ち合わせをしていて、トイレの換気扇の高さを低く設置することを希望するお客様が増えてきたので、それについて言及しておこうと思います。
なぜ低い位置に設置するのかを尋ねると、トイレのにおいの原因は低いところに溜まるから。とのこと。
さて本当なのかどうなのか、きっちり考察していきたいと思います。
トイレのにおいの話で嫌な予感がする方は今回は是非鼻をつまんでお読みください笑。
では尿意ドン。
まず上の表から。
そもそも特定悪臭物質とされる化学物質は22種あるようです。調べてみるとそのうち尿や便に含まれる悪臭物質はアンモニア、硫化水素、トリメチルアミンの3種あることがわかりました。
この表から読み取ってみると、
アンモニアは空気1.0に対して0.58の比重と空気の約半分の軽さなので上昇しそうです。
硫化水素は空気1.0に対し1.17の比重なので空気とあまり変わらない感じです。
トリメチルアミンは空気1.0に対し2.03の比重なので空気の倍の重さがあるということがわかります。
この他にも特定ではない悪臭物質がトイレで発生するそうですが根拠となる正式な資料が見つけられなかったのでそれは今回割愛させていただくとして、これらを基に便所の排気について考えたいと思います。
例えば床から600の高さで換気扇を付けたら排気時の空気の流れはどうなるか。
黄色が比重の軽い成分、ピンクが比重の重い成分、水色は入ってくる空気とします。
条件として室のサイズは半坪程度、天井高は2400、無窓とします。
排気によってトイレ室内の空気を捨てれば、必ずどこからか新しい空気が入ってきます。
入ってくる空気の場所はドアの下の隙間ですね、今の住宅はそういう設計になっています。
ドアの下から入ってきた空気は換気扇から出ていくという流れが発生しますね。
おそらく低いところに溜まる臭いの元はこの流れに乗り上手く外へ出ていくと思いますが、低いところだけで空気の出入りが完結してしまうので、比重の軽いアンモニアなどの成分は上部に滞留する気がしませんか?
この換気方法でどうやってこの黄色い空気を外に出しますか?
では標準的な高い位置につけた場合はどうでしょうか、
低いところから空気が入り、高いところに抜けていくので、室の広い範囲にわたり空気の流れが発生します。当然比重の軽い物質は上方で排気されますが、比重の重い物質も空気の流れに乗って排出されそうですよね。
高いところにつける方がやはり理にかなっている気がしませんか?
というそれだけなんですが、
やはり人を納得させるにはそれなりの根拠が必要ということなんでしょう。
トイレのお話にお付き合いいただいたお礼としておススメの換気扇の紹介もしておきますね^^
第1種換気の場合ですが、トイレの換気扇は電気式シャッターのついた高気密タイプで、かつ人感センサー、遅延タイマー付きがおススメです。
少ないオプションで効率の良いアイテムなので是非ご検討を~
一例ですが品番は【FY-08PDR9】工務店さんにお尋ねください。
リンクも貼っておきます
https://www2.panasonic.biz/scvb/a2A/opnItemDetail?item_cd=FY-08PDR9&item_no=FY-08PDR9&contents_view_flg=1&close_flg=1&b_cd=501&vcata_flg=1
最後に余談なんですが、
日本語では便所、この表記をWCとするのはウォータークローゼットの略なんだそうです。
知ってる人はほとんどいないでしょうね、、、
しかも和製英語なので海外では「?」となります。
おなじみのトイレという言い方は主にイギリス、
レストルームという言い方は主にアメリカだそうです。
勉強になりました。
便所という日本語も古臭いのでそろそろ新しい室名を誰か発明してほしいですね、
「こもり部屋」、「避難場所」、「スマホベンチ」、「お花畑」、、、などなど。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
ぺこり